大切に取り扱ってきた着物を、意を決して買取に出そうと思っても「いくらで売れるのかな?」と価格が気になりますよね。
そこで当記事では、着物の種類別・有名産地別・帯などの和装小物別に、それぞれの買取相場をご紹介します。
買取業者に不正な金額で買い取られないように対策するためにも、しっかりと相場を把握して気持ちよく買い取ってもらえるようにチェックしましょう。
また、今後の着物買取相場の推移も解説するため、まだ着物を持ち続けようか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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大切な着物の価値をわかってくれる業者さんで買い取ってもらう参考になれば幸いです。
種類別:着物の買取価格の相場
種類 | 買取相場 |
---|---|
訪問着 | 10,000円~30,000円 |
留袖 | 12,000円~20,000円 |
黒留袖 | 12,000円~40,000円 |
色留袖 | 12,000円~70,000円 |
振袖 | 10,000円~500,000円 |
付け下げ | 2,000円~80,000円 |
色無地 | 2,000円~20,000円 |
小紋 | 2,000円~5,000円 |
打掛 | 5,000円~40,000円 |
喪服 | 300円~2,000円 |
銘仙 | 500円~4,000円 |
ウール | 300円~1,700円 |
木綿 | 300円~20,000円 |
ポリエステル | 300円~1,200円 |
浴衣 | 500円~20,000円 |
お召し | 1,000円〜2,000円 |
訪問着の買取価格の相場:10,000円~30,000円
訪問着は年齢をはじめ、未婚・既婚に関係なく着用可能な準礼装の着物です。
フォーマルからカジュアルまで着用できるシーンが幅広くて汎用性が高いので、着物の種類の中では特に重宝されます。
模様が途切れることなく一続きになっていて、肩から裾にかけて水が流れるようにデザインされている「絵羽模様」が特徴です。
訪問着は着物の中で最も汎用性があって着用頻度が高い種類であり、需要が高いことから高めの買取相場となっています。
留袖の買取価格の相場:12,000円~20,000円
留袖とは、フォーマルなシーンで着用される、最も格式が高い正礼装(第一礼装)の着物です。
「黒留袖」と「色留袖」の2種類がありますが、単に留袖というと黒留袖を指すことが多いです。
留袖は振袖の袖を短く仕立て直したことが由来ですので、慶事のシーンで着用されます。
留袖の買取価格は12,000円~20,000円が相場と言われています。
黒留袖の買取価格の相場:12,000円~40,000円
黒留袖は、既婚女性のみが着用できる正礼装の着物です。
新たに染め直すことができない黒で仕立てることで、「色(=男)を替えない」という覚悟を示したと言われています。
結婚式や結婚披露宴といった慶事の際に、新郎新婦の親族や仲人が着用している着物と言えば、ピンと来る方は多いでしょう。
黒留袖は正礼装で需要が高い着物ですので、有名作家や産地のものであれば高価買取が期待できます。
色留袖の買取価格の相場:12,000円~70,000円
色留袖は、黒以外の色で染められた留袖を指し、未婚・既婚を問わず着用できます。
紋の数によりますが、正礼装までは求められないパーティや式典などでも着られる場合があります。
訪問着との違いが分かりづらいですが、色留袖は絵羽模様が上半身には描かれておらず、訪問着よりも格が高い点が大きく異なります。
色留袖は黒留袖より着用できるシーンが多いため需要が高く、黒留袖よりも買取価格は高くなりやすいです。
振袖の買取価格の相場:10,000円~500,000円
振袖は大人の未婚女性の第一礼装で、成人式はもちろん、結婚式の花嫁衣装や参列者が着用する着物です。
訪問着や留袖などとは異なり、袖を長く仕立てて「振り」を持たせることが特徴で、古くから日本では「振る」仕草には厄払いやお清めといった意味があるので縁起物とされています。
松竹梅・亀甲文様・鶴・橘(たちばな)・鞠(まり)・七宝(しっぽう)など、縁起の良い華やかなデザインが魅力です。
成人式にかけて毎年必ず需要が高くなるので、振袖は秋ごろに査定に出すと高価買取を狙いやすいでしょう。
付け下げの買取価格の相場:2,000円~80,000円
付け下げとは訪問着の次に格が高く、訪問着よりも絵羽模様がない、または控えめの着物です。
未婚・既婚を問わずに着用可能で、図柄がシンプルで使いやすいため、披露宴から茶席・観劇・趣味の集まりなど幅広く着用できます。
訪問着より気軽な社交着ですので、ちょっとしたお呼ばれの際にカジュアルに着たい場合に向いています。
ただし、着用シーンは訪問着ほど多くないため需要が低く、付け下げの買取価格はどうしても低めになる点に留意しましょう。
色無地の買取価格の相場:2,000円~20,000円
色無地とは、黒以外の一色で染めた無地の着物を指します。
礼装~準礼装に該当するので、結婚式・お茶会・入学式・卒業式などでよく着用されます。
入っている紋の数によっては、カジュアルな場面でも使えるため汎用性が高いです。
とはいえ色無地は訪問着よりも着用できるシーンは少ないので、高価買取はあまり期待できないでしょう。
小紋の買取価格の相場:2,000円~5,000円
小紋は着物全体に細かい模様が入っていることが由来で、模様を一方向に繰り返し型染めした着物を指します。
観劇・ショッピング・お食事・お茶会・お稽古などのシーンで活躍し、江戸小紋・京小紋・加賀小紋といった種類があります。
図柄は花や植物をはじめ、動物・幾何学・文字・生活用具などバリエーションが豊富な点が魅力です。
正礼装ではないので販売価格が低く、その分小紋の買取価格は低い傾向にあります。
打掛の買取価格の相場:5,000円~40,000円
打掛とは花嫁が着る格式の高い婚礼衣装で、「小袖や振袖の上から打ち掛けて(軽く羽織って)着る」ことが由来です。
室町時代に誕生しましたが、当時は派手な図柄や細かい刺繍はなく、花嫁衣装として着られるようになったのは江戸時代に入ってから。
時代とともにデザインが絢爛豪華になって重くなったので、本来の意味での「打掛」ではなくなってしまいましたが、歴史が長い着物として今なお愛されています。
ゴージャスな見た目かつ一生に一度の縁起物ですので、打掛は高価買取が期待できます。
喪服の買取価格の相場:300円~2,000円
喪服とは故人への弔意を表すための着物で、お通夜・葬儀・告別式・法事で着用されます。
日本古来の喪服は白でしたが、明治時代に入り西洋式の葬儀スタイルが流入し、明治政府が西洋化を推し進めたことで喪服が黒になったそうです。
喪主や親族など主催する側の人が着る「正喪服」、一般参列者が着用する「準喪服」、三回忌以降の法事や急な弔問で茶今日する「略式(略喪服)」の3種類があります。
喪服は縁起が悪いため需要が低く、買取業者によっては買取不可としているため、査定を依頼する際はよく確認しましょう。
銘仙の買取価格の相場:500円~4,000円
銘仙は平織(よりをかけない糸で織った)した絹織物のことで、絣(かすり)と呼ばれる手法を用いて仕立てられます。
鮮やかで大胆な色づかいや柄行きが特徴で、大正~昭和のはじめ頃までは女性の普段着として着用されていました。
高級な絹織物には不向きとされた屑繭や玉繭から引いた太めの絹糸を使って織っているため、絹でありながら丈夫で安価な点が特徴です。
近年では若者を中心に起こっている昭和レトロブームにより「アンティーク着物」として人気が高く、銘仙は他の普段着の着物と比べると買取価格はやや高くなるでしょう。
ウールの買取価格の相場:300円~1,700円
ウールの着物はシワになりにくいためお手入れが簡単で、秋から春まで長く着用できます。
生地が厚手で保温性や吸湿性が高いことが魅力で、大量生産ができるためリーズナブルな価格で手に入ります。
ですが、その分どうしても高価買取は期待できず、ウールの着物の買取金額は二束三文になることを覚悟しておいた方がよいでしょう。
木綿の買取価格の相場:300円~20,000円
木綿着物は裏地のない単衣で、綿花を原料とした天然繊維で織られています。
空気を含みやすく柔らかい肌触りが特徴で、吸水性や通気性がよく、秋から春にかけて長く着用できるでしょう。
洋服で例えるとTシャツとジーンズくらいのカジュアルな着物ですので、お出掛けの際に気軽に着られます。
しかし、安価な綿花で作られていることから、有名産地の逸品を除いて木綿着物の高価買取は望めないでしょう。
ポリエステルの買取価格の相場:300円~1,200円
ポリエステルの着物は石油を原料とした化学繊維で仕立て上げられており、リーズナブルな価格でゲットできる点が魅力です。
シワになりにくい・湿気や虫害に強い・洗濯機で洗えるといったメリットがありますが、絹で織られた高級品の着物とは程遠い品質ですので高価買取は全く期待できません。
ポリエステルの着物は着物買取専門店の多くが買取不可としているため、リサイクルショップに査定を依頼したり、人に譲ったりして処分するとよいでしょう。
浴衣の買取価格の相場:500円~20,000円
浴衣は木綿で仕立てられる着物で、入「浴」後に着る「衣」が由来です。
本来は家庭内でゆったりと過ごすために作られましたが、現代では花火大会や夏祭りといった夏のお出掛けシーンで着られることが多いです。
素肌の上に直接着用するのでフォーマルなシーンには向いていませんが、軽くて風通しが良いため夏のイベントでおしゃれ着として愛用されています。
浴衣は安価で販売されていることから買取価格が低めですが、有名な産地や織元の逸品であれば数万円もの金額がつくかもしれません。
お召しの買取価格の相場:1,000円〜2,000円
お召しとは「御召」とも呼ばれ、「御召縮緬(おめしちりめん)」の略称です。
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)に、ねじった撚糸(ねんし)を用いるため、表面に細かい「しぼ」があることが特徴です。
コシが強いためシワになりにくく、柄ゆき(無地・縞・小紋・とび柄・大柄など)によって着用できるシーンが決まります。
ノーブランドのお召しは1,000円〜2,000円が買取相場ですが、状態が良いものや作家ものであれば10,000円以上の買取額がつく場合があります。
有名産地別:着物の買取相場
種類 | 買取相場 |
---|---|
大島紬 | 30,000円~100,000円以上 |
結城紬 | 5,000円~100,000円以上 |
牛首紬 | 3,000円~50,000円 |
郡上紬(ぐじょうつむぎ) | 5,000円~100,000円以上 |
塩沢紬 | 15,000円~500,000円 |
伊那紬 | 3,000円〜20,000円 |
紅花紬 | 3,000円~60,000円 |
琉球絣 | 10,000円~30,000円 |
久留米絣 | 1,000円〜80,000円 |
備後絣(びんごかすり) | 6,000円~30,000円 |
伊予絣 | 5,000円〜50,000円 |
本場黄八丈 | 50,000円~100,000円 |
芭蕉布 | 10,000円~400,000円 |
宮古上布 | 5,000円〜100,000円 |
越後上布 | 50,000円~200,000円 |
能登上布 | 6,000円〜30,000円 |
読谷山花織(よみたんざんはなおり) | 50,000円~150,000円 |
琉球紅型(びんがた) | 10,000円~200,000円以上 |
京友禅 | 20,000円~100,000円 |
加賀友禅 | 40,000円~130,000円 |
東京友禅 | 50,000円~160,000円 |
小千谷縮(おぢやちぢみ) | 6,000円~30,000円 |
西陣織 | 2,000円~100,000円 |
桐生織(きりゅうおり) | 2,000円~100,000円 |
博多織 | 1,000円~100,000円 |
大島紬の買取価格の相場:30,000円~100,000円以上
大島紬は鹿児島県南方に位置する奄美群島を中心に作られている織物で、伝統工芸品に指定されています。
手で紡いだ正絹(しょうけん・絹糸100%)を泥染めしたものを手織りした平織の着物は、「着物の女王」と称されるほど美しい見た目に仕上がります。
フランスの「ゴブラン織」、イランの「ペルシャ絨毯」と並んで世界三大織物に数えられており、いかに高級品であるかがうかがえるでしょう。
大島紬で織られた着物は保存状態が良ければ100,000円以上もの買取価格がつく可能性があるので、ぜひ一度査定を依頼してみましょう。
結城紬の買取価格の相場:5,000円~100,000円以上
結城紬とは、茨城県結城市を中心に茨城県内や栃木県の鬼怒川流域で作られている絹織物です。
奈良時代から織り続けられている高級品で、本結城の工程は国の重要無形文化財に指定されています。
模様の細かさは80~200といった間隔で分類されており、中でも200を超える亀甲柄は緻密な作業により作られるので価値が高くなります。
手触りが柔らかくて軽いことから需要が高く、結城紬の着物は高価買取が期待できるでしょう。
牛首紬の買取相場:3,000円~50,000円
牛首紬は石川県白山市・白峰の旧地名である「牛首村」が由来の織物で、釘を抜けるほど生地が丈夫なことから「釘抜紬」とも呼ばれています。
弾力性と伸張性に優れているのでシワができづらく、保温性・吸湿性・通気性は群を抜いています。
糸づくりから製織までのほとんどの工程が職人による手作業で、大島紬・結城紬と並んで日本三大紬に数えられています。
手間暇かかって作られていて高品質であることから、牛首紬の着物は査定に出せば高価買取が期待できるでしょう。
郡上紬の買取相場:5,000円~100,000円以上
郡上紬は岐阜県の郡上八幡にて、地域活性化のために宗廣力三氏によって生み出された織物です。
宗廣力三氏は人間国宝に指定されているほどの名人で、郡上紬は3代にもわたって着続けられると言われるほど高品質な逸品であることが特徴です。
名水が流れる郡上八幡だからこそ生まれた織物で、草木染による素朴な色合いと光沢が目を引きます。
第二次世界大戦後に誕生した比較的新しい織物ではあるものの、人気が高いことから郡上紬で作られた着物には高い査定額がつけられるでしょう。
塩沢紬の買取相場:15,000円~500,000円
塩沢紬とは新潟県南魚沼市周辺で織られている織物で、江戸時代の明和年間(1764年~1771年)の頃に生まれたと言われています。
1975年に国の伝統的工芸品に指定され、着物の表面に細かいシボ状の温かな風合いがあることが特徴です。
絹独特のツヤっとした光沢はないものの、穏やかな色合いと主張し過ぎない繊細な模様が魅力で、他の紬に比べて生地が薄いため軽やかに着られます。
職人による手作業によって製造されていることから品質が高く、塩沢紬の着物は高い買取額がつけられる傾向にあります。
伊那紬の買取相場:3,000円〜20,000円
伊那紬は長野県南部の伊那谷で生まれた織物で、染料には伊那地方に自生しているリンゴ・クルミ・山桜・白樺・唐松などが使われています。
自然由来の美しい風合いが魅力で、日本人の肌に馴染みやすい温かな色味を楽しめます。
最盛期には長野県内に約120軒もの生産工房がありましたが、現在では駒ケ根市にある1910年に創業した「久保田織染工業」が唯一の織元です。
1社でしか製造されていないため伊那紬は着物市場での流通数が少なく、非常に希少性が高いため、高額での買取が期待できます。
紅花紬の買取相場:3,000円~60,000円
紅花紬は山形県米沢市で織られていて、名前の通り紅色を中心に黄色・オレンジ色・ピンク色といった暖色系の色味に仕上げられていることが特徴です。
紬は茶色や藍色など渋い色味が多いですが、紅花紬は明るくて華やかな色味をしているので、特に女性からの人気が高いです。
また、昔ながらの製法を大切にしていて、山形県産の紅花にこだわって染色しています。
紅花紬は新田秀次など有名作家の作品であれば、数万円単位の買取価格が期待できるでしょう。
琉球絣の買取相場:10,000円~30,000円
琉球絣は沖縄県南風原町(はえばるちょう)で織られており、テチカ・福木・琉球藍など沖縄独自の植物染料や化学染料を使って染められています。
第二次世界大戦での沖縄戦により生産者が激減しましたが、戦後に復興して1983年に国の伝統工芸品に指定されました。
600種類以上もの幾何学模様の組み合わせて織り、膨大な製造時間がかかることから、現在では琉球絣の制作工程は完全分業制となって大量生産されています。
琉球絣は伝統的な織物ではありますが、新品がリーズナブルな価格で販売されているため、買取価格は高くても30,000円程度だと予想されます。
久留米絣の買取相場:1,000円〜80,000円
久留米絣は福岡県久留米市やその周辺の旧久留米藩地域で製造されている、伝統工芸品の指定を受けた織物です。
藍染め独特の素朴で温かみのある風合いが目を引き、小柄・中柄・大柄・絵絣と多種多様な図柄が魅力です。
久留米絣は絣の中でも特に人気が高いので、他の絣の着物よりも高い金額での買取が期待できます。
備後絣の買取相場:6,000円~30,000円
備後絣とは広島県福山市に位置する新市から芦田町で作られている織物で、江戸時代末期に芦田町に住んでいた富田久三郎氏が考案しました。
昭和30年代には年間で300万反も生産され、全国一の絣の生産量を誇るほど人気の高い逸品です。
他の地域で製造される絣と比べるとサラリとした感触が特徴で、木綿ならではの吸湿性や通気性を味わえます。
大量生産された歴史があることから、備後絣は他の絣と比較すると希少性が少ないため、買取価格の上限はやや低めです。
伊予絣の買取相場:5,000円〜50,000円
伊予絣は愛媛県松山市で製造されている木綿の織物で、久留米絣、備後絣とともに日本三大絣に数えられています。
木綿特有の柔らかさに加え、吸収性や通気性が高いことから、農作業時の作業着として全国の農家に愛されるようになりました。
1980年には愛媛県の伝統的特産品に指定されたため、価値の高い逸品として名をはせています。
絵絣やモダン柄などデザインの種類が豊富で人気の高いので、伊予絣は着物市場では高値で取引されており、高価買取が期待できる着物です。
本場黄八丈の買取相場:50,000円~100,000円
本場黄八丈は東京都に属する南の島・八丈島で、島内に自生または栽培されている草木のみを使って作られている絹織物です。
植物の煮汁で黄色をメインカラーとして鳶色(とびいろ・赤暗い茶褐色)や黒に染められいることから、「黄八丈」と名付けられました。
ハッキリとした縞模様や格子模様が美しく、日本の着物には珍しい黄色をベースカラーとした織物として高い人気を誇ります。
本場黄八丈は着物市場でも需要が高い名品であり、買取相場は50,000円~100,000円と高めです。
芭蕉布の買取相場:10,000円~400,000円
芭蕉布とはバショウ科の多年草であるイトバショウから採取した繊維を使って織られていて、「幻の布」と呼ばれている織物です。
沖縄本島北部に位置する大宜味(おおぎみ)村の喜如嘉(きじょか)を中心に制作されており、13世紀頃から織られ始め、15世紀には現在と同じ技法や工程で作られているという長い歴史を持ちます。
沖縄特有の高温多湿の気候でもサラっと着用できる点が魅力で、沖縄県を代表する織物として名高いです。
芭蕉布は歴史がある逸品で、丁寧な製造工程を経て生まれるため価値が高く、保存状態が良ければ非常に高い価格での買取が期待できるでしょう。
宮古上布の買取相場:5,000円〜100,000円
宮古上布とは沖縄県宮古島で作られており、苧麻(ちょま)と呼ばれる麻の繊維から作られた糸で織られています。
一反を織るだけでも2ヶ月以上もの時間を要する上布の最高級品で、1978年に国の重要無形文化財に指定されました。
トンボの羽のような透き通った薄さが特徴で、肌にベタっとつかずに風が通り抜けてゆき、爽やかな着心地が楽しめます。
手間暇かけて作られるうえに重要無形文化財として価値が高いので、宮古上布には高めの買取価格がつくと予想されます。
越後上布の買取相場:50,000円~200,000円
越後上布とは新潟県にある南魚沼市や小千谷市を中心に生産されている麻織物で、苧麻を使って平織で仕上げられています。
天平勝宝(749年~757年)年間に建立された奈良東大寺正倉院に宝物として現在でも保存されており、1200年以もの非常に長い歴史を誇ります。
1955年には国の重要無形文化財に指定、2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録され、国内外を問わず高く評価されている織物です。
越後上布は国内はもちろん海外からの人気が高い逸品ですので、中古着物市場での買取価格は高めに設定されています。
能登上布の買取相場:6,000円〜30,000円
能登上布は石川県の無形文化財に指定されていて、日本五大上布の1つに数えられている織物です。
2000年前に第10代崇神天皇の皇女・沼名木入比賣命(ぬなきいりひめのみこと)が中能登町能登部下に滞在した際に、機織を教えたのが能登上布の起源と伝えられており、歴史の長さと深い伝統がうかがえます。
虫の羽のような美しい透け感や軽さを誇りつつ丈夫で、他の上布にはないシャリ感・光沢感・張り感が特徴です。
能登上布は他の上布と比べるとやや買取相場は低めに見えてしまいますが、着物全体で見れば高価買取が期待できます。
読谷山花織の買取相場:50,000円~150,000円
読谷山花織は沖縄県にある中頭郡(なかがみぐん)の読谷村(よみたんそん)を中心に作られている紋織物で、南国情緒を感じられる花模様が魅力です。
15世紀頃にジャワ(現在のインドネシア)やビルマ(現在のミャンマー)といった南東地域から製法が伝わったと言われており、沖縄県指定無形文化財や経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。
琉球王府の御用布として重用され、福木・車輪梅(しゃりんばい)・琉球藍などの植物染料を用いて色鮮やかに染め上げられます。
読谷山花織は製造工程が複雑で手間暇を惜しまず作られていることから希少性が高く、査定に出せば高額で買い取られる可能性があります。
琉球紅型の買取相場:10,000円~200,000円以上
琉球紅型とは沖縄で作られる染め物の総称で、「紅(びん)」は「色彩」、「型(がた)」は「形」「模様」を表しています。
名前の通り鮮やかな色彩、大胆な図柄の配色、図形の豊富さが特徴で、中国的な豪華さと日本的な優美さを兼ね備えています。
本土の織物には決して見られない沖縄ならではの逸品で、琉球紅型は芸術品・工芸品の両面から高く評価されています。
美しく可愛らしい見た目から大変人気が高く、良い条件が揃っていれば200,000円以上もの超高価買取が実現するかもしれません。
京友禅の買取相場:20,000円~100,000円
京友禅は京都府一帯で作られる染織品で、1976年に経済産業省指定伝統的工芸品に指定されています。
能登国(現在の石川県)で染色技法の一種である加賀染めを習得した後、京都へ出た扇絵師の宮崎友禅斎氏が17世紀ごろに確立した「手描き友禅」が起源と言われています。
古典文様を組み合わせた絵柄をはじめ、金糸や銀糸などを使った刺繍、金箔や絞りが施された絢爛豪華な見た目が魅力です。
織物としてはもちろん、美術品としても高い価値があるため、京友禅は買取に出せば高い査定額になる可能性を秘めています。
加賀友禅の買取相場:40,000円~130,000円
加賀友禅とは石川県金沢市周辺で作られている織物で、京友禅・東京友禅と並んで日本三大友禅に数えられています。
「加賀五彩」と呼ばれる臙脂(えんじ)・藍・黄土・草・古代紫を基調として、繊細でありながら豪華な図柄がデザインされています。
基本的には刺繍や金加工は行われず、絵画調でリアルな草花模様が描かれていて、まるで絵画のような美しさを誇ります。
加賀友禅は人気が高い着物ですので、有名作家の作品であれば100,000円代の買取価格が望めるでしょう。
東京友禅の買取相場:50,000円~160,000円
東京友禅は「江戸友禅」や「東京手描友禅」とも呼ばれる染め物で、1980年に国の伝統的工芸品に指定されています。
徳川家康が江戸幕府を開いたとき、大名お抱えの染め師や絵師らが京都から移り住み、それぞれの技術や技法が伝承されて発展したと言われています。
江戸解模様・御所解風模様・有職模様といった華やかな模様が特徴で、派手になりすぎないように色調を抑えつつも艶やかで優美な逸品に仕上げられています。
数ある友禅の中でも特に人気が高いため、東京友禅の買取相場は50,000円~160,000円と比較的高めです。
小千谷縮の買取相場:6,000円~30,000円
小千谷縮は新潟県小千谷市周辺を生産地としている苧麻を使った麻織物で、撚りが強い緯糸で織った布を湯もみして生まれる「しぼ」を出した逸品です。
江戸時代初期、播州明石(現在の兵庫県明石市)から来たと言われている堀次郎将俊氏が、すでにその地で根付いていた越後上布に改良を加えて誕生したのが小千谷縮とされています。
300年以上にわたり愛され続けており、国の重要無形文化財に指定、またユネスコの無形文化遺産に登録されています。
小千谷縮は独特な風合いや希少価値があるものの、知名度が低く人気も高くないため、上布や友禅ほどの高価買取は難しいかもしれません。
西陣織の買取相場:2,000円~100,000円
西陣織とは西陣の織物業者がつくる織物全般をまとめた名称で、西陣とは京都の北西部(上京区や北区)にあたる地域を指します。
綴・錦・緞子(どんす)・朱珍(しゅちん)・絣・紬などの多種多様な先染め糸を使うことが特徴で、1976年に国の伝統的工芸品に指定されました。
西陣織の中でも経錦(たてにしき)・緯錦(ぬきにしき)・紹巴(しょうは)・綟り織(もじりおり)など全部で12種類の品種があり、それぞれの個性を楽しめる点が大きな魅力です。
西陣織は品種が豊富で、織元や保存状態などの条件によって買取価格は変わりますが、高ければ100,000円もの値段がつけられるでしょう。
桐生織の買取相場:2,000円~100,000円
桐生織は群馬県桐生市周辺で作られている織物で、1977年に通商産業大臣(現在の経済産業大臣)から「伝統的工芸品桐生織」の指定を受けるほどの名品です。
平安時代初期に編纂された「続日本紀」には、和銅7年(714年)に税(調)として納めたと記録されており、1300年以上の長い歴史を有していることがうかがえます。
明治時代に入ると自動織機であるジャカード機を導入し、当時の最先端技術をいち早く取り入れて近代的な生産体制を構築し、織物業界の発展に大きく貢献しました。
桐生織は歴史的・文化的に高い地位を築いていることから、西陣織と同様に高めの買取金額が期待できるでしょう。
博多織の買取相場:1,000円~100,000円
博多織は1976年に国の伝統的工芸品に指定された、福岡県博多市を中心に製造されている織物です。
筑前黒田藩の初代藩主・黒田長政氏が、徳川幕府への献上品として博多織を選んだことで、その名前と品質の高さが全国へ知れ渡ることになりました。
1本の帯を作るのに7,000~15,000本もの経糸を使うほど、しなやかで繊細な糸を使うことが特徴で、丈夫でコシのある仕上がりが評判です。
博多織も西陣織・桐生織と並んで国内外で高く評価されているので、高価買取が期待できます。
帯や和装小物の買取相場
種類 | 買取相場 |
---|---|
袋帯 | 5,000円~180,000円 |
袋帯名古屋帯 | 3,000円~100,000円 |
丸帯 | 5,000円~90,000円 |
半幅帯 | 100円~2,000円 |
角帯 | 300円~2,000円 |
羽織 | 200円〜2,000円 |
その他の和装小物 | 50円~5,000円 |
袋帯の買取価格の相場:5,000~180,000円
袋帯は帯の中でも格が最高とされており、表地と裏地が異なる生地を袋状に縫い合わせて仕立てられていることが特徴です。
格式高い式典やお祝いの席といったフォーマルなシーンでの着用に向いていて、着物に彩りを添えるように豪勢なデザインの逸品が多いです。
袋帯は着用する機会が多くて着物市場での需要が高いため、帯の中では高価買取がもっとも期待できるでしょう。
名古屋帯の買取価格の相場:3,000円~100,000円
名古屋帯は、大正時代に名古屋女学校(現在の名古屋女子大学)を設立した越原春子氏が考案したことが由来です。
一重のお太鼓が結べるように袋帯よりも短くした帯であり、帯の中では比較的カジュアルで普段使いしやすい点が魅力です。
基本的には「染め」より「織り」の方が格上とされるので、織りで有名作家や産地の名古屋帯であれば、数万円単位の買取価格がつくでしょう。
丸帯の買取価格の相場:5,000円~90,000円
丸帯は江戸時代中期に誕生し、戦前まではもっとも格式高いとされていた帯の一種です。
現在の袋帯と異なる点は、両面ともに同じ柄が入っていることで、大変華やかで目を引く逸品です。
丸帯は袋帯よりも結びづらく、現在では花嫁衣装・舞妓・芸者などが結ぶのみと需要が少ないので、帯の中では高価買取は難しいと言えるでしょう。
半幅帯の買取価格の相場:100円~2,000円
半幅帯とは名古屋帯や袋帯とは異なり幅が細く作られており、同じ幅のまま胴に巻くカジュアルな帯を指します。
現在では浴衣や小紋に合わせられることが多く、帯の中では格が低いとされています。
袋帯や名古屋と比べると価値が低いため、どんなに高くても買取価格は2,000円以上にはならないでしょう。
角帯の買取価格の相場:300円~2,000円
角帯は男帯の一種で、礼装の袴(はかま)の下に締めることが多いです。
一般的には博多織で作られますが、その他にも紬・絽(ろ)・緞子・夏用の麻などの品物もあります。
女性用の帯である袋帯や丸帯よりも需要が圧倒的に少ないため、どうしても高い買取金額は提示されづらいです。
羽織の買取価格の相場:200円〜2,000円
羽織は着物の上に着る短い上着のことで、防寒・塵除け・オシャレとして着用されてきました。
着物の上から羽織ると聞くと洋服でいうとコートのようなイメージを持つかもしれませんが、実際はカーディガンやジャケットにあたるので、室内や食事の際も着たままでも問題ありません。
羽織は帯類と比較すると人気が乏しく、買取価格は数百円程度、どんなに高くても数千円にしかならないと見込まれます。
和装小物の買取価格の相場:50円~5,000円
草履・和装バッグ・かんざし・長襦袢・帯揚げ・帯締めなど、着物を着るときに必要となる小物類を和装小物と呼びます。
和装小物は着物や帯に比べると販売価格が低いので、買取価格は最初から低めに設定される傾向にあり、買取業者によっては買取対象外としているところもあります。
金や象牙など希少価値が高い素材を使っていたり、有名作家の名品であったりすれば高価買取は期待できますが、全体的には高値は見込めないです。
着物の買取相場が決まるポイント
着物の買取相場が決まるポイントとしては、以下の3つがあります。
- 需要と供給のバランス
- 有名な作家・産地である
- 着物のサイズ
需要と供給のバランス
着物買取業者は着物の需要と供給のバランスを見ながら、買取相場を決定します。
着物が世の中で必要とされていれば買取価格は高くなりますし、あまり必要とされていなければ低くなります。
基本的に買取業者は買い取った着物を再販売するため、着物が売れにくいとなると買取で高値をつけたがらないわけです。
以下のグラフをご覧ください。
着物市場規模を1989年と2021年で比べると、1/6にも減少しています。
これに伴い、着物買取業者が今後買取価格を上げていくのは考えにくいです。
一つだけいえるとすれば、着物の需要は減ってきているので、自宅で眠らせておくよりも早めに査定に出すのをおすすめします。
有名な作家・産地である
有名な作家が手掛けた着物や、伝統工芸品となる産地の着物は、知名度やブランド力によって価値が上がる傾向にあります。
特に人間国宝などの著名な作家や加賀友禅・京友禅など特定地域の一流の織物は、ノーブランドの着物とは買取価格が大きく変わります。
着物買取のバイセル も公式サイトで以下のように表現しています。
着物の中でも有名な作家が手掛けたものや、有名産地で生産されたものは、知名度があり人気が高いので買取額も高くなりやすいです。
引用:バイセル
ノーブランドの着物は一般的な中古服と変わらない扱いになるため、場合によっては数百円程度の買取価格になることもあるでしょう。
着物においてはブランドとしての価値があるかないかが非常に重要です。
着物のサイズ
着物の買取相場はサイズも影響します。
大きいサイズの着物は様々な体型の方に合わせて調整できるため、再販売で需要が高まります。
実際に着物買取業者のザ・ゴールド の公式サイトには、以下の記載があります。
リサイクル着物を購入される女性、レンタルされる女性の身長が年々高くなっているため、丈が163cm以上の着物にニーズが集まっています。サイズの小さな着物は、大きくすることはできませんが、サイズの大きな着物は小さく仕立て直しすることができますので、やはり大きなサイズにニーズが集まります。
引用:ザ・ゴールド
私が着物買取で最もおすすめしている福ちゃん でも記載は同じです。
丈の長い着物は、素材や作家が同じ着物でも短い着物に比べて買取価格が高くなります。
引用:福ちゃん
長く大きな着物は体型を選ばず着ることができる為、販売時の需要が高い為です。また生地が多く使用されていることから仕立て直しがしやすいことも理由となります。
しかし小さいサイズの着物は、着用できる人が限られてくるので、買取価格が下がってしまうでしょう。
着物買取の相場にまつわるよくある質問
最後に着物買取の相場にまつわるよくある質問をまとめます。
相場よりも安い金額を提示されたら?
相場よりも安い金額を提示されてどうしても納得がいかない場合は、キャンセルをして問題ありません。
どの買取業者も査定は無料で行ってくれるため、キャンセルしても費用は発生しません。
他にも買取契約を結んだ後でも、一定期間内であれば契約解消ができるクーリング・オフという制度もあります。
相場よりも安く買い叩かれないか不安な方は、クーリング・オフが対象の以下の着物買取業者を選んでみてください。
着物の買取相場はこれから下がっていく?
昭和以前の時代に比べると、現代人は成人式や結婚式などの冠婚葬祭を除いて着物を着る機会が減っています。
また、昨今はレンタル着物の市場規模が拡大しているため、着物を所有する方や新調する方は年を追うごとに減少しているのです。
着物の需要が徐々に減っていることから、今後着物の買取価格は下がる一方だと予想されます。
残念ながら、今お手持ちの着物は、毎年のように価値が下がっていると言っても過言ではありません。
不要な着物はなるべく早く買取に出そう
所有している着物を今後着用する予定がないならば、なるべく早く買取に出すことを強くおすすめします。
着物の価値が年々少しずつ下がっていると言うことは、言い換えれば「今が最も価値が高い」ということです。
また、着物の需要が減っていることに加えて、着物は保管方法を誤ると虫食いされたり、シミやシワがついたりしてしまい、どんどん保存状態が悪くなって価値がなくなっていきます。
ですので、不要な着物はすぐに査定してもらって、1円でも高い価格で買い取ってもらうことが賢明です。
まとめ
ひと口に着物といっても、その種類は多種多様ですので、訪問着や留袖といった種類ごとに買取相場はどうしても異なります。
さらに種類の他にも、着物の世界には有名産地の織物で仕立てられた逸品も含まれるため、着物の買取金額のつけ方はとても複雑になります。
着物は専門知識や査定技術がないと正しい買取価格を提示できないので、着物買取の専門店を利用して適切な金額を算出してもらいましょう。
最近では査定料・買取料・キャンセル料といった各種手数料を無料としている着物の買取業者が台頭しているため、ぜひ一度気軽に問い合わせることをおすすめします。